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2011年2月10日 (木)

中央大学の森岡さん

  中央大学で英語を教えている森岡実穂さんは、オペラの演出を研究している。今年の1月はビエイトの『フィデリオ』や、コンヴィチュニーの『トラヴィアータ』その他の公演を見るために2回もヨーロッパにいらしたそうだ。森岡さんとは2009年6月のコンヴィチュニーのワークショップで知り合った。それまで、オペラの演出の研究というものがそういうふうになされるものだということを全く知らなかった。

  森岡さんは、今回はクラッシックジャーナルの取材として『サロメ』の稽古場に現れた。コンヴィチュニーの特集としては、中央大学の冊子、中央評論での、2010年びわ湖ホールにおける『蝶々夫人』のワークショップの記事を読ませていただいた。世界各地で10年以上にわたって見続けてきた様々な『蝶々夫人』についての、彼女の研究発表を拝見したこともある。こんなにたくさんの演出を見、世界中の演出家がいま何を重視し、何を言いたいのか、ということを見てゆくと、現代の社会が何を重視し、何を求めているのか、ということとも関わりあって、とても興味深いのだということを知らされた。

  私たち歌手は声を出し、体を動かすことが仕事だ。もちろん頭を使ったっていいのだが、そっちの方面はあまり得意ではなかったり…。森岡さんが初めて稽古にいらした日、私たちは今回の『サロメ』の中でも最も議論の集まりそうな場面を稽古したのだが、彼女はなにも言葉で説明されないにもかかわらず、当然のように、コンヴィチュニーが演出のコンセプトを説明した時と同じ内容を話し始めた。…「考える世界」の人って、すごいなぁ、とあたり前のことをあらためて思ってしまった。私たちは説明を受けても、分かったような、分からないような、というところを、いまだ持て余していたりしたのだから…。

  でも、わたしたちの仕事は、理解することではなくて、届けることだ。私たちの稽古をみて森岡さんがいろいろなことを感じられたように、本番にいらしたお客様が、私たちを通して「音楽(作曲家)」と「演出」が伝えようとしていることを、力強く感じてくだされば。それが大事なことだ、あらためて思った次第でした。それができるよう、明日も雪のなか頑張って稽古に向かうのだ!

  そういえば私は、ゆきえ、という名前だけど、それは私が2月に生まれたので、今は亡き母が「雪」と思いついて名付けたのだとか…。でも「雪」という字が使われていないのは、平凡な字を使いたくなかったから、らしい。私の名前の由来になった現象ですからね、雪には負けていられません。

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